マニュアル

インボイス制度対応:会計システムとの連携

作成者: 非表示執筆者|2025.03.31

情報整理(運用面)

 1. 会計システム側で発生する変更点を確認する

インボイス制度への対応にあたり、
会計システム側で変更になった点があるかどうか確認します。

  • 会計システムでは、適格請求書発行事業者との取引か否かをどのように区分するか
  • 会計システムでは、税区分や税計算のフラグに変更があるかどうか
  • 会計連携用データの連携時に追加になる必須項目はあるか

 2. 「楽楽販売」で会計連携用データを作成する集計条件を確認する

「楽楽販売」で仕訳データを作成しており仕訳の集計を行っている場合、
インボイス制度への対応のために出力したい情報が
想定通りに出力できない可能性があります。

例えば「経過措置対象取引」「帳簿のみの保存でよい取引」になる明細がある場合でも、
すべて集計されてしまい正しい区分経理ができなくなります。

そのため、集計条件および設定の確認を行い、
必要に応じて自動処理などの設定変更をお願いいたします。
以下に集計条件の例をご案内いたします。

【例1】伝票No.ごとに仕訳を集計している(1つの伝票No.に対して1仕訳行)
    →1つの仕訳内に複数税率が混在している可能性があります。
     (税区分ごとの税額がわからない)

請求データイメージ

商品名 単価(税抜) 数量 金額(税抜) 消費税(税抜×税率)
商品F 3,201 1 3,201  
商品H(8%) 987 1 987  
商品E 3,111 1 3,111  
商品G(8%) 4,201 1 4,201  
10%合計 6,312 631
8%合計 5,188 415
合計 11,500 1,046

「楽楽販売」で作成する仕訳データベース

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
売掛金 11,500 売上 11,500
  仮受消費税 1,046

【例2】勘定科目ごとに仕訳を集計している(1つの勘定科目に対して1仕訳行)
    →1つの仕訳内に複数顧客が混在している可能性があります。
   (経過措置対象顧客とそうでない顧客が混在し、経過措置対象の税額が区分できない)

▼仕入データイメージ

顧客名

免税事業者
(経過措置対象

税区分

商品名

単価
(税別)

数量

金額(税抜)

税抜
合計

消費税
(税抜×税率)

●●
株式会社

 

課税仕入10%

商品F
(10%)
3,201 1 3,201

11,500

1,150

商品H
(10%)
987 1 987
商品E
(10%)
3,111 1 3,111
商品G
(10%)
4,201 1 4,201

△△
株式会社

対象

課税仕入10%
(80%控除)

商品F
(10%)
3,201 1 3,201

11,500

1,150

商品H
(10%)
987 1 987
商品E
(10%)
3,111 1 3,111
商品G
(10%)
4,201 1 4,201

▼「楽楽販売」で作成する仕訳データイメージ

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
売掛金 23,000 売上 23,000
仮払消費税 2,300  

3. インボイスと会計連携用データでの差額調整方法を確認/決定する

インボイス上と会計連携用データ上の税額のズレが発生するか確認します。

発生する場合はその調整をどのように対応するか、および現在の差額調整方法の
運用を確認します。
例えば、1枚のインボイスから科目や部門を分けて仕訳して会計連携用データを
作成する場合、インボイス上の税額計算ルールと異なるため税額の差額が
発生する可能性があります。

差額発生有無

(発行したインボイスの税額と売上の会計連携用データの税額に差額が発生するか)
  • 差額が発生する場合
    インボイス上の税額計算ルールと異なる
    【例】
    ・1枚のインボイスから科目や部門を分けて仕訳して会計連携用データを作成している
    ・明細項目に商品があり、明細行ごとに仕訳レコードを作成している

  • 差額が発生しない場合
    インボイス上の税額計算ルールと合っている
    【例】
    ・請求レコード(税率が混在しない)を1仕訳レコードとして作成している
    ・1請求レコードの中に複数税率あり、税率ごとに仕訳レコードを作成している

差額調整タイミング(どのタイミングで調整するか)

  • 連携前に販売管理システム側で調整してから連携
    「楽楽販売」で差額調整対応が必要

  • 連携後に会計システム側で調整
    「楽楽販売」で差額調整応は不要

※参考:確認フローチャート


差額調整方法

(「楽楽販売」で差額調整対応をする場合、どのように差額を調整するか)

※参考:対応案「調整額として1行新たに仕訳を作成する」
 【例】会計連携用データ用DBに差額調整用の仕訳行
    【例:勘定科目ー仮受消費税】を追加する
※具体的なイメージについては「差額調整に必要な設定変更をする」をご確認ください。

「楽楽販売」から出力する会計連携用データの変更点を確認する

下記について確認します。

  • データ形式(並び順等)に変更があるか
  • 追加項目があるか
  • 自動処理の設定変更が必要か

設定変更

 1. 取引先、税区分に関する設定を変更する

会計システムへのデータ連携にあたり取引先、税区分等に関連する設定を変更します。

会計システムが「取引先」や「税区分」等のマスタ情報で判別する

【例】

  • 取引先マスタ
    必要に応じて免税事業者、適格請求書発行事業者との取引を判別する項目を追加する
  • 税区分マスタ
    新規追加される税区分を追加登録する

※必要に応じて仕訳データ作成時に、適切な税区分が選択されるよう設定の変更を行う
 【例】取引年月日と取引先(免税事業者かどうか)を確認して
   それに対応する税区分コードを
セットする自動処理の設定を追加する。

※単発取引をしている複数の取引先に対して、単発取引用の共通の
 取引先コードを使用している場合、適格請求書発行事業者用/免税事業者用それぞれ
 コードが必要になる可能性がある。

 (1つの会計連携用データに複数取引先が紐づいており、適格請求書発行事業者と
 免税事業者が混在する可能性があるため)

会計システムが「請求書区分」などのフラグで判別する

(会計システム上で税区分は変わらず、起票時に「適格請求書発行事業者」か否かの
 チェックボックスなどがありそれをフラグとして判別する場合)

  • 仕訳データを作成するDB(例:仕訳DB)へフラグ項目を追加する
  • 必要に応じて取引先等の情報から適切なフラグが選択されるよう設定の変更を行う

 2. 伝票データ作成に関する設定を変更する
 (伝票データを会計システムへ連携している場合)

会計システムへのデータ連携にあたり伝票データに関連する設定を変更します。

伝票データを作成するDB

【例】請求DB
    • 項目の追加
    • 伝票データをCSV連携する一覧画面の並び順設定 
      ※項目の追加、変更があった場合

 3. 仕訳データ作成に関する設定を変更する
 (仕訳データを会計システムへ連携している場合)

会計システムへのデータ連携にあたり仕訳データに関連する設定を変更します。

仕訳データを作成するDB

【例】仕訳DB
    • 項目の追加
    • 仕訳データをCSV連携する一覧画面の並び順設定 
      ※項目の追加、変更があった場合

仕訳データ作成の自動処理を設定しているDB

【例】請求DB
    • 仕訳データを作成する際の自動処理における集計条件の設定変更
      【例】伝票No.や勘定科目等で集計して仕訳データの作成を行っている場合
         ・区別が必要な明細行(経過措置対象など)を含めて集計していないか
         ・運用に応じて集計条件の変更が必要か

 4. 差額調整に必要な設定変更をする

発行したインボイスの税額と売上の仕訳データの税額について差額が発生し、
「楽楽販売」側で差額調整をする場合には税額を調整するための設定が必要になります。

対応案を下記にご案内いたします。

仕訳データの差額調整方法案

調整額として1行新たにレコードを作成する

【例】
 会計連携用データ用DBに差額調整用の仕訳行を追加する
 (例:勘定科目ー仮受消費税)

商品名
単価
(税抜)

数量
金額
(税抜)
税区分ごと
消費税
(税抜×税率)
明細ごと
消費税
(税抜×税率)

差額
商品F 3,201 1 3,201   321  
商H(8%) 987 1 987   79  
商品E 3,111 1 3,111   311  
商G(8%) 4,201 1 4,201   336  
10%合計 6,312 631    
8%合計 5,188 415    

合計

11,500 1,046 1,047 -1

「楽楽販売」で作成する仕訳データイメージ

  借方 貸方
日付 請求No 勘定
科目
金額 税区分 税額 勘定
科目
金額 税区分 税額
2023/2/1

A00001

売掛金 3,522 対象外(0%)

0

売上 3,522 課対売(10%) 321
2023/2/2 A00001 売掛金 1,066 対象外(0%) 0 売上 1,066 課対売(8%) 79
2023/2/3 A00001 売掛金 3,422 対象外(0%) 0 売上 3,422 課対売(10%) 311
2023/2/4 A00001 売掛金 4,537 対象外(0%) 0 売上 4,537 課対売(8%) 366
2023/2/5 A00001 仮受消費税 1 対象外(0%) 0 売掛金 1 対象外(0%) 0

伝票データの差額調整方法案

  • 方法A ※推奨
    税区分単位で集計して税額計算する
    (10%対象取引で1行、8%対象取引で1行の形で連携)

    <メリット>
    差額が発生しない(インボイス上と同じ税額計算方法になる)ため、
    差額調整行の挿入や按分処理等は不要となる

    <デメリット>
    連携用データ用DBを別途作成する必要がある
    (請求書と同じ明細の形式のまま連携ができないため、
     税率ごとに明細行をまとめる処理が必要となる)

請求データイメージ


商品名
単価
(税抜)

数量
金額
(税抜)
税区分ごと
消費税
(税抜×税率)
明細ごと
消費税
(税抜×税率)

差額
商品F 3,201 1 3,201      
商H(8%) 987 1 987      
商品E 3,111 1 3,111      
商G(8%) 4,201 1 4,201      
10%合計 6,312 631    
8%合計 5,188 415    

合計

11,500 1,046 1,047 -1

「楽楽販売」で作成する仕訳データイメージ

  借方 貸方
日付 請求No 勘定
科目
金額 税区分 税額 勘定
科目
金額 税区分 税額
2023/2/1

A00001

売掛金 6,943 対象外(0%)

0

売上 6,943 課対売(10%) 631
2023/2/1 A00001 売掛金 5,603 対象外(0%) 0 売上 5,603 課対売(8%) 415
  • 方法B
    差額を適当な明細行で調整する

    <メリット>
    請求書と同じ明細の形式でそのまま連携できる

    <デメリット>
    ・差額の明細行への割り振りの設定が複雑となる
    ・以下観点で注意が必要となる
     ※解釈・適用については税理士などの専門家、または所轄の税務署、
      国税局などへご確認ください。

    【経理実務の観点】
     ・作業者が、仕訳で明細単位で見た場合、消費税の計算根拠がわからず、
      混乱を生じる可能性がある。

    【法人税法、税込み経理の観点】
     ・仕入れの観点では、明細単位で、税込経理での金額基準
      (交際費5000円基準や少額の減価償却資産)に影響が発生する可能性がある。

請求データイメージ

品名

単価(税抜)

数量

金額(税抜)

税区分ごと
消費税(税抜×税率)
明細ごと
消費税(税抜×税率)

差額

消費税(連携用)

金額
(税込)

商品F 3,201 1 3,201   321 -1 320 3,521
商品H
(8%)
987 1 987   79   79 1,066
商品E 3,111 1 3,111   311   311 3,422
商品G
(8%)
4,201 1 4,201   336   336 4,537
10%合計 6,312 631     631 6,943
8%合計 5,188 415     415 5,603
合計 11,500 1,046 1,047 -1 1,046 20,505

「楽楽販売」で作成する仕訳データイメージ

  借方 貸方
日付 請求No 勘定
科目
金額 税区分 税額 勘定
科目
金額 税区分 税額
2023/2/12

A00001

売掛金 3,522 対象外(0%)

0

売上 3,522 課対売(10%) 320
2023/2/18 A00001 売掛金 1,066 対象外(0%) 0 売上 1,066 課対売(8%) 79
2023/2/22 A00001 売掛金 3,422 対象外(0%) 0 売上 3,422 課対売(10%) 311
2023/2/27 A00001 売掛金 4,537 対象外(0%) 0 売上 4,537 課対売(8%) 366

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